水沢さんの食旅ノート

日本全国津々浦々、地域の特産品やご当地グルメを求めてどこまでも。旅すがら出会う伝統文化や郷土芸術を楽しみながら、食べ歩くのが生きがい。料理の味だけに留まらず、その成り立ちや土地の風土、歴史的背景、食材の起源まで分析した知識ごと味わうのが水沢流。

郷土に伝わる ふるさとの味を訪ねて

じゃこ天

愛媛県

瀬戸内の小魚のうまみが詰まった逸品

地魚の骨や皮ごとすりつぶしたすり身を、小判型にのばしたり、団子状に形を整えて油で揚げた魚肉の練り製品。瀬戸内地方を中心に、このように小魚のすり身を揚げたものを、昔から「天ぷら」と呼んでいました。小魚のうまみがギュッと詰まっており、カルシウムが豊富でヘルシーな郷土の味です。
名前の由来は、いろいろな魚を意味する「雑魚(ざこ)」から「じゃこ天」になったとか、主要原材料となるハランボ(ホタルジャコ)から「じゃこ天」になったとか、諸説があります。スーパーの店先や食堂、居酒屋などのメニューにも並び、各お店それぞれにこだわりと違いがあって食べ比べも楽しい。値段も手頃、おやつ感覚で気軽に食べられるのが嬉しい逸品です。そのまま食べる他に、酢の物やサラダに合えたり、うどんやおでんの具としていただくのも、人気があります。

 

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