工藤君の情熱一人旅

ポケットに常に「青春18きっぷ」をしのばせている、永遠の18キッパー。一人旅の旅愁と理想の女性を追い求め、恋に破れては電車に飛び乗ってしまう。車窓を眺めながら、熱い思いを綴ることがいつしかライフワークになり、その熱心な仕事ぶり(?)は所長に一目置かれている。

車窓で巡る旅

肥薩線(1)

熊本県・宮崎県・鹿児島県

車窓で巡る 人吉駅〜吉松駅

矢岳〜真幸間の日本三大車窓の絶景

矢岳〜真幸間の日本三大車窓の絶景

 
九州には色々な観光列車が走っていて、車窓案内やグッズの販売もあり、乗るのが楽しみな路線が多い。中でも肥薩線は、熊本・八代方面からは人吉までSLが走り、人吉〜吉松の間を観光列車「いさぶろう・しんぺい」が、吉松〜鹿児島中央の間を観光特急「はやとの風」が走っている。今回は、真っ赤なボディーの「いさぶろう」に乗って、日本三大車窓とループ線、スイッチバックを楽しむ旅に出た。「いさぶろう」は下り線の人吉〜吉松を走り、上り線は「しんぺい」と名を変えて人吉に戻ってくる。

真っ赤なボディーの観光列車「いさぶろう・しんぺい」

真っ赤なボディーの観光列車「いさぶろう・しんぺい」

ウッディー感あふれる「いさぶろう・しんぺい」の車内

ウッディー感あふれる「いさぶろう・しんぺい」の車内

 

人吉の街を抜け、車窓には山並み風景が続く。坂を登って行き、トンネルを抜けると大畑駅に到着。大畑駅は「おこば」と呼ぶ難解な駅名。ここは、スイッチバックとループ線の両方を使って坂を登り降りする醍醐味を楽しめるところとして有名だ。発車した列車はバックしながらスイッチバック用の線路を登っていく。一旦停止して進行方向を元に戻し再発進、今度は別の線路を左カーブを描きながらループ線を登っていくのだ。やがて車窓の左下の先に、さっき停まった大畑駅のホームが見えてきて、坂を登ってきたことがを実感できる瞬間。一時停車して案内をしてくれるのも、観光列車ならではの嬉しいサービスだ。

ループ線の上から、眼下に見る大畑駅

ループ線の上から、眼下に見る大畑駅

やってきた記念に名詞を貼り付ける人が多く、壁には名詞がいっぱい

やってきた記念に名詞を貼り付ける人が多く、壁には名詞がいっぱい

 

さらに坂を登っていき、矢岳(やたけ)駅に到着。数分停車するので、駅にあるSL展示館の見学ができる。発車後長いトンネルを抜けると、いよいよ日本三大車窓と呼ばれた絶景が広がる。この日はあいにく曇り空のぼんやりした天気だったが、それでも眼下に広がる雄大な車窓風景は充分楽しめた。数分停車して案内するので、シャッターチャンスも確実に狙える。九州ならではの、ダイナミックな景観は、この路線最大のお薦めポイントだと思う。

矢岳駅構内にあるSL展示館

矢岳駅構内にあるSL展示館

 

絶景の車窓を楽しんだ後は、坂を下りながら真幸(まさき)駅へ。この駅もスイッチバックの構造になっている。車窓左下に駅のホームを見ながら、一旦駅の先迄行き、バックして駅に進入する。ここでは、地元の人たちによるお土産の販売も行われていて、ちょっとした触れ合いを楽しむことができた。縁起の良い駅名にあやかって、ホームには「幸せの鐘」があるので、記念に鳴らしてみよう。進行方向を元に戻し真幸駅を出発すると、次は「いさぶろう」の終着駅、吉松駅だ。

スイッチバックの上から、眼下に見る真幸駅のホーム

スイッチバックの上から、眼下に見る真幸駅のホーム

年代を感じさせる真幸駅の駅舎

年代を感じさせる真幸駅の駅舎

 

 

 

 

 

 

 

 

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