池本所長の列島探訪

旅を愛し、鉄道を愛し、旅情を愛する、当研究所所長。所員の研究を温かく見守るその瞳は、ひとたび時刻表を開けば鋭く光りあらゆる情報キャッチしては集積していく、まさに生きたデータベース。毎日旅気分を味わいたいがため、あえて遠方に住居を構えている。

列車旅メモリアルフォトアルバム

北海道で最後まで活躍した、C62蒸気機関車

かつて走っていた、懐かしい列車たちの姿をお届けします。

◎C62牽引による急行ニセコ最終三重連運転

1971(昭和46)年9月15日 撮影(小樽駅付近)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全国でSL(蒸気機関車)が次々と消えていくなか、北海道ではその勇姿を見る機会がまだ残されていました。中でもかつて東海道本線の特急つばめを牽引していたC62-2号機は、「銀色に輝くつばめマーク」に代表されるように、日本最大、最強のSLとして多くのファンを魅了し続け、最後の優等列車を牽引する舞台として、函館本線の急行ニセコを引いていました。しかし、この日を最後に、急行ニセコの牽引はディーゼル機関車にバトンタッチすることになり、C62機関車3両による最後の三重連運転が行われました。小樽駅を発車してまもなくの場所に陣取って、列車が来る瞬間を待ちました。本当は乗りたかったのですが、乗ると写真が撮れないので、この時は撮影に専念しました。大きな音を立てて通りすぎていったことを、今も懐かしく覚えています。

 

◎C62さよなら重連運転

1972(昭和47)年8月27日 撮影(札幌駅付近)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1971(昭和46)年9月15日の急行ニセコ最終牽引の後は、小樽〜長万部間の普通列車の牽引として、活躍の場を残されたC62-2号機と3号機。しかし、その期間も長いものではありませんでした。この日は2号機と3号機による最終牽引重連運転の日となり、小樽〜岩見沢間の臨時列車で「さよなら運転」が行われました。この後、C62-2号機は京都の梅小路機関区で動態保存されることになり、現在も梅小路蒸気機関車館でその姿を見ることができます。C62-3号機は延命運動により一時廃車を免れましたが、やがて静態保存となります。その後、動態復元され、1988(昭和63)年〜1995(平成7)年まで「C62ニセコ号」として復活運転しました。現在は札幌のJR北海道苗穂工場に静態展示されています。

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次代に残したい日本の風光

シャコタンブルーの深い青が印象的な神威岬

北海道

積丹半島 神威岬

透明度が高く、シャコタンブルーと呼ばれる深い青色の海と先端に立つ神威岩の景観が美しい神威岬。日本海の大海原に突き出したその眺めは、一度見たら決して忘れられないほど、神秘的でダイナミックです。

先端の灯台と、その先に立っている神威岩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バス停のある駐車場から遊歩道があり、色々な角度から見る岬の景観や眼下に広がる海は、何時間いても飽きないほど。残念ながら2011年9月の台風による大雨で、2012年4月現在、先端までの遊歩道は途中で行き止まりになっていますが、右手の小高いところから先端部分を見ることができるので、起伏に富んだ迫力ある景観と青い海原のコントラストに目が釘付けになってしまいます。

岬の先端の途中まで、散策路に沿って歩いていける

遠くに日本海を航行するフェリーの姿が見えた

 

海中に生える海藻の姿も見える青い海

岬の西方向の山並みと海岸線

アクセス:札幌駅から小樽駅経由バス約3時間10分(小樽駅から約2時間5分)※4月下旬〜10月下旬運転

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次代に残したい日本の風光

“米どころ”に広がる棚田 懐かしい原風景

新潟県

十日町市 松代・松之山の棚田

全国有数の“米どころ”の新潟県。平地ばかりでなく、丘陵地帯にも田んぼが広がっています。なかでも、十日町市の旧松代町や旧松之山町には、絵になるような美しい棚田風景が幾つもあり、星峠や新田はその代表格。棚田をめぐり、日本の原風景に出会う旅をご紹介します。

ダイナミックな星峠の棚田風景は、まさに日本の原風景

旧松代町の星峠の棚田は、その場に立つとスケールの大きさに驚かされること間違い無し。ドラマのオープニングシーンに使われたのもうなずけるダイナミックな広がりは、多くの人を魅了します。このときも、幾人もの人が写真を撮りにきていたほどでした。

 

 

 

丸い形の田んぼが段になって広がる、新田の棚田

旧松之山町の新田の棚田は、円形をした珍しい構造になっているのが特徴。周囲の木々を背景にした、のどかな田園風景が広がります。

 

 

 

 

【星峠の棚田】ほくほく線まつだい駅からタクシー約20分
【新田の棚田】ほくほく線まつだい駅からタクシー約20分、星峠の棚田からタクシー約20分

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次代に残したい日本の風光

瀬戸内海の多島美がワイドに広がる、筆影山・竜王山

広島県

筆影山(ふでかげやま)・竜王山(りゅうおうざん)

瀬戸内海の多島美を眺めることのできる場所はいくつかありますが、三原市の筆影山と竜王山には展望台もあり、ワイドに広がる島なみ風景がしばし時を忘れさせてくれ、思わず見とれてしまう絶景スポットです。

竜王山から見る瀬戸内海のワイドな景色は、写真に納まり切らない

 

 

 

 

 

 

 

 

桜の名所の筆影山は、春先には眼下に広がる島なみ風景と桜のコントラストが何よりも楽しみな場所。空と海の青に、桜のピンクが重なり、一枚の絵画のような世界を作り出します。左手に向島と因島を結ぶ因島大橋、右手に生口島と大三島を結ぶ多々良大橋を望み、島々を行き交う船の軌跡が海面に白いラインを描いていくのが、良くわかります。

春には桜の花で埋め尽くされる筆影山から見る瀬戸内海

筆影山から、正面左に因島大橋を望む

筆影山の南西にある竜王山は筆影山よりも高く、しまなみ海道の橋や多数の島々が作る景観の美しさが、一段と映えるところ。こちらも、春には桜の花に包まれます。左手に因島大橋、右手に四国へつながる来島海峡大橋とさらに呉方面まで、筆影山よりも高い分さらにワイドに見渡せます。かつてCMにも登場したことのある絶景の地です。

正面右に見えるのが、竜王山から見える因島大橋

晴れた日には遠く四国山地も望める、竜王山からの景色

 

【筆影山】山陽本線三原駅からタクシー約20分、駐車場から展望台までさらに徒歩約5分

【竜王山】山陽本線三原駅からタクシー約30分、駐車場から展望台までさらに徒歩約5分

 

 

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旅ここちウォーク

東横線の地下化で廃線になった線路跡を利用した東横フラワー緑道を楽しむコース

東白楽駅南の東横フラワー緑道

 

 

 

 

 

 

 

2004年2月に開通したみなとみらい線は東急東横線との直通運転を行うため、東急東横線の東白楽駅の少し南から〜横浜駅間は地下を走ることになり、地上の線路は廃線になりました。線路跡地はその後「東横フラワー緑道」という名の遊歩道に生まれ変わり、散策が楽しめるようになっています。

線路も敷かれている

東白楽駅で降り、駅前の道路を渡ります。神奈川総合高校に沿って歩き、東横線の線路が地下へのトンネルに入るところの横にあるのが平川町公園。ここから線路の上にできた遊歩道を歩き始めます。かなり道幅の広い歩きやすい道で、みなとみらい地区にある汽車道のように、部分的に線路が敷かれてあり廃線跡の雰囲気を伝えています。遊歩道のあちらこちらに木々や草花が植えられており、ちょうど桜の花も咲いていました。

高島山トンネル (2011年4月16日から通行可能)

反町駅の手前の国道1号線を渡る高架部分は、かつて線路が走っていた鉄橋の跡。国道を渡ると右には反町駅の建物が見えます。駅ホームや現在の線路は地下にあります。さらに進むと、山にぶつかり、かつて東横線の電車が通っていた高島山トンネルが見えてきます。2011年4月16日から通れるようになるということで、今現在はフェンスで塞がれていました。このトンネルが通れるようになると、横浜方面への近道になりますが、今回はトンネルの右側に沿って遠回りのルートで進みます。

「鉄道の開通と埋立解説パネル」と横浜駅のビル街

少し坂道を登ると、右手に高島山公園。ここには、横浜の鉄道建設に尽力した高島嘉右衛門を顕彰する望欣台の碑があります。さらにすすむと、横浜駅方面のビル街の視界が開ける高台に突き当たり、「鉄道の開通と埋立」の解説パネルが見えてきます。この場所付近から撮影された、明治初期の鉄道建設当時の写真が紹介されています。当時は海だった現在の横浜駅付近を埋立てて線路を敷き、日本最初の鉄道を完成させたことを伝えるこの写真は、今まで何度も目にしていましたが、この場所から撮影したものだったことを、初めて知りました。

高島山トンネルの横浜駅側出口と旧東海道

解説パネルから左の方へ道を降りていきます。三宝寺や、かつてのアメリカ領事館跡の本覺寺を通り、右にカーブして進むと、先ほどの高島山トンネルの横浜駅側の出口に出ます。こちらにも、4月16日から通れる旨の表示がありました。ここから再び遊歩道を歩きます。トンネルの出口から歩いてすぐ、道路を渡ります。この道が旧東海道で、「東横フラワー緑道と旧東海道」を紹介する解説パネルも立っています。ここからは、あと100mほどで遊歩道も終わり。さらに、横浜駅西口へは5分ほどで着きます。

(2011年4月5日歩行)

東横フラワー緑道の横浜駅側の起終点

【テーマ】歴史・鉄道・展望

東急東横線東白楽駅→1・東横フラワー緑道→2・反町駅→3・高島山トンネル→4・高島山公園→5・鉄道の開通と埋立解説パネル→6・本覺寺→7・旧東海道→横浜駅

歩行距離:約2.4km(高島山トンネルを通るルートの場合 約2.2km)
歩行時間:約35分(高島山トンネルを通るルートの場合 約30分)

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旅ここちウォーク

桜咲く小田原城から漁港へ向かうコース

西海子小路の桜並木

 

 

 

 

 

 

 

小田原城の桜

以前にご紹介した小田原城から小田原漁港へのコースの桜バージョン(コース一部修正)です。ようやく暖かくなってきて、各地で桜が満開になってきた日曜日の朝、地元小田原の桜の名所を訪ねてみました。桜の季節ならではの見所をご紹介します。小田原駅を朝の7時前に出発。小田原城までは、7〜8分程度で着きますが、天守閣の周りには、早くも桜見物の人たちが何人も来ていました。小田原城は、戦国大名北条氏の本拠として、全国屈指の大きさを誇っていました。その後豊臣秀吉軍が攻め入って北条氏は滅亡、江戸時代には範囲は縮小され、天守閣がそびえる石垣の城となりました。今の天守閣は昭和35(1960)年に、鉄筋コンクリートで外観を復元したもので、白いお城を背景にした桜の大木が見事に花を咲かせていました。

常磐木門

天守閣から常磐木門(ときわぎもん)を通り降りていくと、赤い常磐木橋の横にも桜の木があります。赤い橋とのコントラストも美しく、何人もの人たちが写真を撮っていました。

常磐木橋の桜

橋の左右は菖蒲園になっていて、初夏には花菖蒲が花を咲かせるところです。その先には、小田原城歴史見聞館があり、広場右手の銅門(あかがねもん)を見て、お堀にかかる学橋を渡り、城址公園の外へ一度出ます。

小田原城のお堀の桜

お堀沿いの歩道に咲く桜並木は見事に満開で、ここは人通りも多く、すでにたくさんの桜見物客がいました。桜並木沿いに歩くとやがて、昨年の春に復元された馬出門(うまだしもん)が見えてきます。馬出門から再び入り、住吉橋、銅門を通り広場へ。馬出門、銅門、常磐木門を抜けて天守閣への道のりは、かつての登城ルートなのです。城址公園の桜を堪能した後は、小田原文学館のある西海子(さいかち)小路へ向かいます。国道を箱根口交差点から進むとやがて西海子小路。この通りは小田原有数の桜の並木道で、道の向こうまで約400m続く桜のトンネルは、とてもきれいでした。桜の西海子小路を見るのは初めてで、朝の早い時間帯にも関わらず、すでに何人かの人が写真を撮りに来ていました。西海子小路の桜並木を通り抜けて突き当たりを右折。

人車鉄道の小田原駅跡碑

国道にかかる歩道橋の登り口に、かつての人車鉄道の小田原駅跡碑が建っています。人を乗せた車両を人が押して走らせていた原始的な鉄道が、明治時代に小田原〜熱海間を走っていました。急坂では、お客も降りて押すのを手伝ったという、今では信じられない鉄道があったんです。早川口の交差点を熱海方面に左折してしばらくいくと早川口遺構入り口の案内があります。

早川口遺構

左に進むと、かつての小田城の大外郭の跡である、早川口遺構があります。小田原城の南西の出入り口があったところで、堀状の窪地のある地形が当時を偲ばせています。再び東海道線に沿って歩き、早川を渡り左折すると小田原漁港です。今日は日曜日なので静かですが、卸売り市場があるので、平日や土曜日の朝は賑やかです。新鮮な魚が売りの食堂もあるので、私のおすすめスポットです。小田原漁港から早川駅までは歩いて5〜6分くらい。小田原駅まで歩いても30分位です。

(2010年4月4日歩行)

小田原漁港

【テーマ】花・歴史・海辺・展望

JR東海道線小田原駅→小田原城址公園(天守閣→常磐木門→学橋→馬出門→銅門)→西海子小路→人車鉄道の小田原駅跡碑→早川口遺構→小田原漁港→東海道線早川駅

歩行距離:約4.3km(小田原駅までは 約6km)歩行時間:約1時間5分(小田原駅までは 約1時間30分)

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旅ここちウォーク

鎌倉の海岸風景を楽しむコース

由比ヶ浜

 

 

 

 

 

 

 

一の鳥居

鎌倉の海岸を歩くコースです。鎌倉といえば寺社めぐりが定番ですが、湘南を代表する美しい海岸線や富士山・伊豆半島を望む雄大な景観も、鎌倉の大きな魅力です。マリンスポーツを楽しむ多くの人々が集う、由比ヶ浜から稲村ヶ崎への海岸を歩いてきました。JR鎌倉駅の東口がスタート。駅を出て右へまがり、若宮大路を海岸に向かって進みます。10分ほど歩くと、一の鳥居に着きます。かつては、鶴岡八幡宮へと続く段葛といわれる参道が、この一の鳥居から続いていましたが、横須賀線の開通などにより、明治時代に取り壊されました。鳥居の右の歩道には、3.4mをこえる大きな石造宝篋印塔が建っているので、手を合わせてください。鎌倉幕府の御家人の墓塔と伝えられるものです。一の鳥居からさらに行くと、滑川の信号のところで由比ヶ浜海岸が見えてきます。夏は海水浴客で賑わう海岸、この日はマリンスポーツを楽しむ人が大勢来ていました。

由比ヶ浜から逗子

空は雲一つない絶好の天気でしたが、海風が強く、歩くのにも苦労するほどでした。ここから江の島への海岸線は、関東ふれあいの道の中の1コースとして整備されており、安全な歩道を歩くことができます。左には三浦半島、右には遠く伊豆半島までも見渡せる景観。目の前の相模湾では、波を相手にマリンスポーツを楽しむ多くの人々の姿。まさに、湘南ならではの世界が広がります。しばらく左手の海岸風景を見ながら進みと、やがてプールのある公園。その先には、今度は右手に切立った崖が迫っており、自然の厳しさを見せつける光景が続きます。ふたたび、左手の海岸を見ながら行くと、やがて道路は右へ、海岸線は左へと分かれていきます。左手の海に転げ落ちるように切立った姿の断崖が稲村ヶ崎。

稲村ヶ崎の断崖

新田義貞の鎌倉攻めの際に、海中に宝を投げ入れ、潮が引いたところを一気に攻め入った、という伝説が残る地です。少しの時間、海と別れて歩き、やがて相模湾と江の島の全景が見えてきます。稲村ヶ崎は、今は整備された公園になっており、少し小高いところには展望台があるので、登ってみてください。

稲村ヶ崎の展望台からの江の島・富士山

公園内には、ボート遭難慰霊碑や新田義貞の碑があり、江の島や富士山、伊豆半島を見渡す絶景はこのコースのハイライト。

ボート遭難の碑からの江の島・富士山

心ゆくまで、湘南の美しい海の景色を楽しむことができます。国道の信号を渡り、稲村ガ崎の駅まではあとわずかですが、少し遠回りをして十一人塚へ寄ってみます。新田義貞の鎌倉攻めの際の将である大館宗氏が北条方の反撃で敗れ、残った11人も自刃した。その霊を弔うためにできた石碑がこの十一人塚です。ここから江ノ電の稲村ヶ崎駅までは、3分ほどで着きます。

(2009年11月15日歩行)

十一人塚

【テーマ】歴史・海辺・展望

JR横須賀線鎌倉駅→1・一の鳥居→2・由比ヶ浜海岸→3・稲村ヶ崎→4・十一人塚→江ノ島電鉄稲村ヶ崎駅

歩行距離:約4km歩行時間:約1時間

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旅ここちウォーク

横浜港の歴史と新しい姿を楽しむコース

日本郵船氷川丸と遠くに見える横浜ベイブリッジ

 

 

 

 

 

 

 

横浜みなとみらいエリアから中華街へ向かう、横浜ならでコースです。開国博は2009年9月27日で終了しますが、みなとまち横浜の歴史を十分感じられるオーソドックスなコースとして、いつの時期でも気軽に散策が楽しめます。JR桜木町駅がスタート。桜木町駅は日本最初の鉄道として開業し、当時は横浜駅と名乗っていました。駅前のバスターミナルの向こう側に、汽車道という遊歩道が整備されています。約500mのこの道には、レールが敷かれてあり、かつて臨港線として実際に列車が走っていた歴史を偲ばせる景観。途中に架かる鉄道橋は歴史的建造物で、ノスタルジックな雰囲気も素敵です。汽車道からは、ワールドポーターズや大観覧車などが見え、道の終点となるナビオス横浜の先には横浜赤レンガ倉庫が見えてきます。

横浜赤レンガ倉庫

横浜赤レンガ倉庫は、横浜の歴史的シンボルともいえる赤レンガ造りの重厚感あふれる建造物。2002年に新たなスタートを切り、ショップやレストランなどは、多くの観光客で賑わっています。

旧横浜港駅跡

倉庫の左手には旧横浜港駅跡のプラットホームが復元されているので、ぜひ立ち寄ってみてください。海外航路が華やかな時代には、東京駅からこの駅まで船に乗る為の連絡列車が運行されたこともありました。赤レンガ倉庫からは山下臨港線プロムナードが続き、横浜港の現在の姿を眺めながら山下公園へと行くことができます。この道もかつては列車が走っていた道。

臨港線プロムナードとクイーン(右手)、キング(中央)

今では、右手には横浜税関(クイーン)や神奈川県庁(キング)を、左手には大さん橋ふ頭を臨む、眺めのよい散策路です。プロムナードの終わりは、山下公園です。公園の街側の山下公園通りには見事なイチョウ並木があり、秋の黄葉の時期にはとても美しく輝き、絶景ポイントになります。山下公園の港側には、かっての豪華貨客船として知られる日本郵船氷川丸が係留されています。見学ができるので、中に入って当時の船旅の様子を体感してみてください。山下公園から横浜マリンタワーの横を通り、本町通りに出ます。すぐには横断歩道がないので、通り沿いに右に曲り、横浜天守堂跡の信号を渡って賑やかな横浜中華街に入ります。

関帝廟

中華街は広いので、自由に歩いてお気に入りの店を見つけてください。天長門をくぐり、しばらく進むと中華街のシンボル関帝廟。さらに進んで延平門を抜けると、石川町駅へはもうすぐです。
(2009年9月21日歩行)

【テーマ】歴史・海辺・建物・鉄道・食・展望

JR根岸線桜木町駅→1・汽車道→2・横浜赤レンガ倉庫→3・山下臨港線プロムナード→4・山下公園→5・日本郵船氷川丸→6・横浜マリンタワー→7・横浜中華街→JR根岸線石川町駅

歩行距離:約4km歩行時間:約1時間

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町中の自然と歴史の営みを感じる妙蓮寺菊名コース

菊名池弁財天

 

 

 

 

 

 

 

妙蓮寺

東急東横線の妙蓮寺駅から隣の菊名駅までの一駅間の短いコースです。距離は短いですが、こんな町中にも、豊かな自然があり、展望の広がる景色があり、歴史を刻む寺社仏閣がありと、様々な出会いを楽しみながら散策ができます。妙蓮寺駅は、その名の通り妙蓮寺というお寺の前にあります。朱塗りの立派な山門が目を引きます。大正15年の鉄道開通の際に、当時の住職が境内の線路敷設を快諾し、その土地を無償で提供したことにより、妙蓮寺駅が造られました。駅から商店街を歩き、突き当たりを右に曲がると、やがて菊名池公園のプールに出ますが、その左手に菊名池弁財天の鳥居が見えます。横浜港北七福神のひとつですが、ここの弁財天は少し変わっています。一般的には、琵琶を持っているのが弁財天ですが、菊名池弁財天は右手に剣を左手に宝玉を持っているのです。剣で魔を払い、宝玉は招福の玉として財宝を授与するといわれているので、ぜひお参りしてください。お参りの後は、プールに沿って外側をぐるっと歩きます。自転車駐車場の手前の横断歩道を渡って、菊名池に向かいます。池には鳥たちの姿もあり、周囲の木陰では涼んでいるひとたちがいました。菊名池は、もとはプールの方まで含む、もっと大きな池でした。「菊名池及びその周辺のうつりかわり」というパネルがあり、昭和3年の地図と今を見比べてみることができます。

菊名桜山公園

菊名池を後に、旧綱島街道を歩きます。踏切を渡ってしばらく行き、クリーニング店のところで、右にV字形に戻るように坂道を登って行きます。左には森が広がり、やがて小高い公園に出ます。ここが菊名桜山公園で、現況の桜の木に加えて、新たに植栽も行ない、草花や緑豊かな公園として整備が進められています。木々の隙間からは、眼下に広がる家々が展望できます。公園を抜けると綱島街道。左に曲がって、見晴らしが良い道を歩きます。

横浜線のトンネル上からの展望

横浜線のトンネルの上あたりからは、線路の向こうに家並みを見下ろす素晴らしい展望です。綱島街道に沿って少しずつ下っていくと、やがて蓮勝寺。境内は緑深く、静かな佇まいです。ここには、運慶の作と伝えられる毘沙門天が祀られていますが、ご開帳の日はお正月松の内の七日間と1月、5月、9月の初寅の日となっているようです。

蓮勝寺

菊名駅まではあとわずかですが、菊名神社へ寄ってみます。菊名神社には「がまんさま」と呼ばれる鬼の石像があります。手水鉢をささえる4つ角にあり、江戸時代末期から長い年月の間、じっと手水鉢を支えてきたがまん強い姿から、こう呼ばれていて、忍耐の大切さを伝えているとのことです。厳しい環境にさらされている現代社会。「がまんさま」の教えのように、努力と忍耐こそが開運を招くもとになるのかもしれません。そんな事を考えながら、菊名神社を後に。菊名駅までは、3分位で着きます。

菊名神社の「がまんさま」

(2009年7月25日歩行)

【テーマ】歴史・花・森

東急東横線妙蓮寺駅→1・妙蓮寺→2・菊名池弁財天→3・菊名池→4・菊名桜山公園→5・綱島街道→6・蓮勝寺→7・菊名神社→東急東横線菊名駅・JR横浜線菊名駅

歩行距離:約3.5km歩行時間:約50分

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旅ここちウォーク

二宮尊徳の歴史を紐解き酒匂川の流れを楽しむコース

酒匂川と松並木

 

 

 

 

 

 

 

尊徳記念館

酒匂川の流れを見ながらの爽快なウォーキングです。酒匂川の河畔は、流れに沿ってサイクリングロードが整備されており、サイクリングはもちろん、ジョギングやウォーキングにも最適なところ。付近には、二宮尊徳ゆかりのスポットもあり、歴史を紐解きながらのウォーキングが楽しめます。小田急線で小田原から3つ手前の富水駅がスタート。県道720号に出て、しばらく行くと右手に尊徳記念館が見えてきます。尊徳はこの地に生まれ、その後数々の偉業をなし、多くの人々に影響を与えました。記念館では、その生涯や偉業を紹介しています。展示品の中には、連合軍の占領下時代に作成されたもので、二宮尊徳の肖像が描かれた1円札があり、アメリカからも高く評価されていたことが伺えます。

二宮尊徳生家

記念館の横には復元された生家があり、江戸時代の農家の様子がわかる貴重な史跡。道路の向かい側には、捨苗栽培地跡がありますが、交通量が多いので、横断には注意してください。記念館からさらに北へ少し歩くと、菩提寺である善栄寺や二宮総本家屋敷跡などがあります。少し東に歩くと、やがて報徳橋を望む酒匂川の河畔に出ます。

善栄寺

酒匂川の河畔には、歩きやすいサイクリングロードが整備されており、ゆったりした広い川幅を見ながら歩くことができます。

酒匂川青少年サイクリングコース

所々には、歴史を物語る様々な解説板もあり、それらに目を止めながら歩くもの楽しいもの。川の両岸には松並木が植えられていて、青い空と川の水とのコントラストも印象的です。新たに橋を建設している横を過ぎ、足柄大橋を越えると酒匂川ふれあい館があります。酒匂川の歴史や棲んでいる魚を紹介しているところで、基本的には日曜日のみの開館ですが3連休の中の土曜日ということもあってか、今日は開いていました。その横には、昔ながらの治水工法の仕組みが紹介されています。さらに進むと、河畔を利用した開成水辺スポーツ公園が右手に見えてきます。グランドやパークゴルフなどがあり、多くの人で賑わっていました。

開成水辺スポーツ公園管理センター

管理センター前の芝生に淡いピンクの花が咲いていたので、「桜ですか」と聞くと「ソメイヨシノじゃないですよ」との答え。早咲きの種類の桜のようですが、付近にはいくつかの木が花をつけていました。小田急線の線路の下をくぐり、十文字橋を渡ると小田急の新松田駅とJR御殿場線の松田駅はすぐです。

(2009年3月21日歩行)

開成水辺スポーツ公園

【テーマ】歴史・川辺

<コース>小田急線富水(とみず)駅→1・尊徳記念館・二宮尊徳生家→2・善栄寺→3・二宮総本家跡→4・酒匂川青少年サイクリングコース→5・酒匂川ふれあい館→6・開成水辺スポーツ公園→小田急線新松田駅・JR御殿場線松田駅

歩行距離:約8km歩行時間:約2時間

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