池本所長の列島探訪

旅を愛し、鉄道を愛し、旅情を愛する、当研究所所長。所員の研究を温かく見守るその瞳は、ひとたび時刻表を開けば鋭く光りあらゆる情報キャッチしては集積していく、まさに生きたデータベース。毎日旅気分を味わいたいがため、あえて遠方に住居を構えている。

旅ここちウォーク

鎌倉の海岸風景を楽しむコース

由比ヶ浜

 

 

 

 

 

 

 

一の鳥居

鎌倉の海岸を歩くコースです。鎌倉といえば寺社めぐりが定番ですが、湘南を代表する美しい海岸線や富士山・伊豆半島を望む雄大な景観も、鎌倉の大きな魅力です。マリンスポーツを楽しむ多くの人々が集う、由比ヶ浜から稲村ヶ崎への海岸を歩いてきました。JR鎌倉駅の東口がスタート。駅を出て右へまがり、若宮大路を海岸に向かって進みます。10分ほど歩くと、一の鳥居に着きます。かつては、鶴岡八幡宮へと続く段葛といわれる参道が、この一の鳥居から続いていましたが、横須賀線の開通などにより、明治時代に取り壊されました。鳥居の右の歩道には、3.4mをこえる大きな石造宝篋印塔が建っているので、手を合わせてください。鎌倉幕府の御家人の墓塔と伝えられるものです。一の鳥居からさらに行くと、滑川の信号のところで由比ヶ浜海岸が見えてきます。夏は海水浴客で賑わう海岸、この日はマリンスポーツを楽しむ人が大勢来ていました。

由比ヶ浜から逗子

空は雲一つない絶好の天気でしたが、海風が強く、歩くのにも苦労するほどでした。ここから江の島への海岸線は、関東ふれあいの道の中の1コースとして整備されており、安全な歩道を歩くことができます。左には三浦半島、右には遠く伊豆半島までも見渡せる景観。目の前の相模湾では、波を相手にマリンスポーツを楽しむ多くの人々の姿。まさに、湘南ならではの世界が広がります。しばらく左手の海岸風景を見ながら進みと、やがてプールのある公園。その先には、今度は右手に切立った崖が迫っており、自然の厳しさを見せつける光景が続きます。ふたたび、左手の海岸を見ながら行くと、やがて道路は右へ、海岸線は左へと分かれていきます。左手の海に転げ落ちるように切立った姿の断崖が稲村ヶ崎。

稲村ヶ崎の断崖

新田義貞の鎌倉攻めの際に、海中に宝を投げ入れ、潮が引いたところを一気に攻め入った、という伝説が残る地です。少しの時間、海と別れて歩き、やがて相模湾と江の島の全景が見えてきます。稲村ヶ崎は、今は整備された公園になっており、少し小高いところには展望台があるので、登ってみてください。

稲村ヶ崎の展望台からの江の島・富士山

公園内には、ボート遭難慰霊碑や新田義貞の碑があり、江の島や富士山、伊豆半島を見渡す絶景はこのコースのハイライト。

ボート遭難の碑からの江の島・富士山

心ゆくまで、湘南の美しい海の景色を楽しむことができます。国道の信号を渡り、稲村ガ崎の駅まではあとわずかですが、少し遠回りをして十一人塚へ寄ってみます。新田義貞の鎌倉攻めの際の将である大館宗氏が北条方の反撃で敗れ、残った11人も自刃した。その霊を弔うためにできた石碑がこの十一人塚です。ここから江ノ電の稲村ヶ崎駅までは、3分ほどで着きます。

(2009年11月15日歩行)

十一人塚

【テーマ】歴史・海辺・展望

JR横須賀線鎌倉駅→1・一の鳥居→2・由比ヶ浜海岸→3・稲村ヶ崎→4・十一人塚→江ノ島電鉄稲村ヶ崎駅

歩行距離:約4km歩行時間:約1時間

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