池本所長の列島探訪

旅を愛し、鉄道を愛し、旅情を愛する、当研究所所長。所員の研究を温かく見守るその瞳は、ひとたび時刻表を開けば鋭く光りあらゆる情報キャッチしては集積していく、まさに生きたデータベース。毎日旅気分を味わいたいがため、あえて遠方に住居を構えている。

旅ここちウォーク

桜咲く小田原城から漁港へ向かうコース

西海子小路の桜並木

 

 

 

 

 

 

 

小田原城の桜

以前にご紹介した小田原城から小田原漁港へのコースの桜バージョン(コース一部修正)です。ようやく暖かくなってきて、各地で桜が満開になってきた日曜日の朝、地元小田原の桜の名所を訪ねてみました。桜の季節ならではの見所をご紹介します。小田原駅を朝の7時前に出発。小田原城までは、7〜8分程度で着きますが、天守閣の周りには、早くも桜見物の人たちが何人も来ていました。小田原城は、戦国大名北条氏の本拠として、全国屈指の大きさを誇っていました。その後豊臣秀吉軍が攻め入って北条氏は滅亡、江戸時代には範囲は縮小され、天守閣がそびえる石垣の城となりました。今の天守閣は昭和35(1960)年に、鉄筋コンクリートで外観を復元したもので、白いお城を背景にした桜の大木が見事に花を咲かせていました。

常磐木門

天守閣から常磐木門(ときわぎもん)を通り降りていくと、赤い常磐木橋の横にも桜の木があります。赤い橋とのコントラストも美しく、何人もの人たちが写真を撮っていました。

常磐木橋の桜

橋の左右は菖蒲園になっていて、初夏には花菖蒲が花を咲かせるところです。その先には、小田原城歴史見聞館があり、広場右手の銅門(あかがねもん)を見て、お堀にかかる学橋を渡り、城址公園の外へ一度出ます。

小田原城のお堀の桜

お堀沿いの歩道に咲く桜並木は見事に満開で、ここは人通りも多く、すでにたくさんの桜見物客がいました。桜並木沿いに歩くとやがて、昨年の春に復元された馬出門(うまだしもん)が見えてきます。馬出門から再び入り、住吉橋、銅門を通り広場へ。馬出門、銅門、常磐木門を抜けて天守閣への道のりは、かつての登城ルートなのです。城址公園の桜を堪能した後は、小田原文学館のある西海子(さいかち)小路へ向かいます。国道を箱根口交差点から進むとやがて西海子小路。この通りは小田原有数の桜の並木道で、道の向こうまで約400m続く桜のトンネルは、とてもきれいでした。桜の西海子小路を見るのは初めてで、朝の早い時間帯にも関わらず、すでに何人かの人が写真を撮りに来ていました。西海子小路の桜並木を通り抜けて突き当たりを右折。

人車鉄道の小田原駅跡碑

国道にかかる歩道橋の登り口に、かつての人車鉄道の小田原駅跡碑が建っています。人を乗せた車両を人が押して走らせていた原始的な鉄道が、明治時代に小田原〜熱海間を走っていました。急坂では、お客も降りて押すのを手伝ったという、今では信じられない鉄道があったんです。早川口の交差点を熱海方面に左折してしばらくいくと早川口遺構入り口の案内があります。

早川口遺構

左に進むと、かつての小田城の大外郭の跡である、早川口遺構があります。小田原城の南西の出入り口があったところで、堀状の窪地のある地形が当時を偲ばせています。再び東海道線に沿って歩き、早川を渡り左折すると小田原漁港です。今日は日曜日なので静かですが、卸売り市場があるので、平日や土曜日の朝は賑やかです。新鮮な魚が売りの食堂もあるので、私のおすすめスポットです。小田原漁港から早川駅までは歩いて5〜6分くらい。小田原駅まで歩いても30分位です。

(2010年4月4日歩行)

小田原漁港

【テーマ】花・歴史・海辺・展望

JR東海道線小田原駅→小田原城址公園(天守閣→常磐木門→学橋→馬出門→銅門)→西海子小路→人車鉄道の小田原駅跡碑→早川口遺構→小田原漁港→東海道線早川駅

歩行距離:約4.3km(小田原駅までは 約6km)歩行時間:約1時間5分(小田原駅までは 約1時間30分)

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