伊豆の踊子の舞台、川端康成が愛した湯で安らぐ
「伊豆の踊子」で、踊子一行と一緒になった「私」が泊まった宿が、ここ福田家。川端康成が逗留した頃の風情をそのままに残す、落ち着いた佇まいの宿です。館内には、川端康成資料室もあり、原稿や貴重な資料の他、映画になった時の写真なども飾られています。
創業以来、130年もの長きに渡って使われている「榧(かや)風呂」は、川端康成も好んでよく入ったとか。滑らかな湯に静かに身をまかせて、文人への思いに浸ってみるのも、この地ならではの過ごし方です。榧風呂の他にも、自然の景観に囲まれた露天岩風呂もあり、ゆっくりと温泉を楽しめます。
山海の美味が並ぶ料理もお薦めで、特大のキンメダイの煮付けはボリューム満点。伊豆に来たならぜひ味わいたい逸品です。
玄関前には踊子の像があり、また宿の右には、川端康成直筆の文字が刻まれた「伊豆の踊子文学碑」が設置されています。文豪の面影を追いながら、「伊豆の踊子」の小説の舞台を散策するのに、絶好の宿です。
☎0558-35-7201
関連ワード: 静岡県
東京と大阪を結ぶ夜行の寝台急行「銀河」。最終の東海道新幹線の発車した後、23:00に東京駅を発車。始発の新幹線が新大阪駅に着く前の、7:13に新大阪駅、7:18に大阪駅に到着するダイヤで運転され、多くのビジネスマンにも利用された、寝台専用のブルートレインでした。
何度か、東京と大阪の移動の際に利用しましたが、一般のB寝台の他に、ベッドの幅が広くゆったりとしたA寝台は結構混んでいて、値段が高いにも関わらず、特にA寝台下段の寝台券は手に入れるのが難しかったのを覚えています。
多くのブルートレインと同じように、やがて廃止の運命をたどり、2008年の3月14日が最終運転日となりました。
写真は2008年2月13日撮影、横浜駅にて
関連ワード: 神奈川県
信州独特の「本棟造り」の建物と太い梁に、心安らぐ宿
城下町松本の奥座敷として静かな佇まいの温泉郷、浅間温泉。菊之湯は、明治24年創業の和風旅館で、この地方独特の「本棟造り」と呼ばれる建築様式を取り入れた風格ある建物が迎えてくれます。
ゆったりとした勾配の切妻造りの屋根と、屋根の先にある「すずめ踊り」が特徴の伝統的な建築様式で、心までゆったりした気持ちになります。ロビーに入ると、磨きぬかれた太い大黒柱や、年代を感じさせる太い梁が組まれた重厚感あふれる造り。今では、これだけの木を集めるのも、大工さんを捜すのも、大変なこととのお話に、いつまでもこのまま残しておいて欲しいと願うばかりです。
信州の新鮮な野菜を生かした懐石料理を味わい、体に優しい温泉に身をまかせてゆったり過ごす至福の時間。昔ながらの木のぬくもりあふれる和室で、ゆっくり休めます。
☎0263-46-2300
関連ワード: 長野県
異国の地で、伝統的な建物と日本文化を守る女将
国登録有形文化財に指定されているこの宿は、趣向を凝らした意匠が随所に用いられ、風格のある和風建築が特徴。昭和初期から中期に建てられた木造の建物が、古き歴史を感じさせる宿です。その古風ある宿を守るのが、なんと韓国から嫁いできた女将。流暢な日本語で、日本の伝統文化の良さについて語ってくれました。
ロビーには、古い遊び道具や雑誌、小物、ブラウン管のテレビを始め、レトロ感漂う懐かしいものがいっぱい並んでいます。立ち止まって見入る人も多いとか。磨き込まれた板張りの廊下や階段など、古き日本がそのまま残っています。
温泉はちょうど良い温度のなめらかな湯で、飲用もできる優れもの。心も体もリラックスさせてくれます。地元の郷土料理を味わい、木の温もりを感じながらゆったりとした時間を過ごすのに、お薦めの宿です。
☎0966-22-3141
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2013年11月30日(土)に、紅葉の鎌倉ウォーキングイベントを実施しました。当日は快晴の好天に恵まれ、初参加の2名の方を加えて、秋の彩りが鮮やかな古都鎌倉の散策とスケッチを楽しみました。
行楽シーズンということもあり鎌倉駅には多くの人で賑わっていました。満員のバスに乗って鎌倉宮まで直行。まずは参拝して、瑞泉寺へと向かいました。途中、民家の軒先や遠くに見える山々の色鮮やかな景色を楽しみながら、10分ほどで到着。瑞泉寺の紅葉は、見頃の少し手前という感じでしたが、木々が生い茂る静かな石段や境内の庭園など、古都ならではの見どころも多く、今度は梅やスイセンの咲く早春にも来てみたい、という声も聞かれました。
瑞泉寺から鎌倉宮へ戻り、荏柄天神社、源頼朝の墓を通り鶴岡八幡宮へと足を進めました。いずれの場所も多くの観光客が訪れていて、秋の鎌倉の人気の高さがわかります。源頼朝の墓手前の白旗神社では、木全体が黄色く色づいたイチョウが実に見事で、一番の見頃を迎えていたのはとてもラッキーでした。
途中でいろいろと見学したり、通りの出店で買い物をしたり、ゆっくりと散策を楽しんでいたので、鶴岡八幡宮に着いたのは午後4時近くになってしました。源平池のほとりで写生タイムを開始。太陽が沈みかけ始め、周囲が薄暗くなっていくのを気にしながら、大急ぎで各人がスケッチに挑戦しました。先生にアドバイスをいただきながら、40分ほどで終了。恒例のごくろうさん会の会場へと向かいました。
個室でゆったりと、おいしい料理とともに懇談。各人の作品をお披露目して、批評しあいながらお互いの交流を深め、古都の魅力と絵を描く楽しみに浸るひとときを終えることができました。
今回ご参加の皆さん、ありがとうございました。
所長:池本
(2013年12月1日)
関連ワード: 神奈川県
2013年10月19日(土)に、高尾山を歩くウォーキングイベントを実施しました。あいにくの曇り空でしたが、イベント中は雨に降られず山を降りて山麓に戻ってから、予報通りの雨。天気予報がバッチリ当たり、とてもラッキーでした。今回は、初参加の3名の方も加えて、楽しく過ごすことができました。
ケーブルカーで着いた先には展望広場があり、眼下に見下ろす新宿方面がうっすらと雲にかかっていましたが、それでも高いところからの絶景に、皆見入っていました。木々がうっそうと茂る参道を登って、高尾山薬王院までのショートウォーク。大きな木がところどころで迎えてくれました。
約15分程で薬王院。お参りを済ませてから、写生タイムです。境内の建物や仏像など、思い思いのものを描いていきました。境内には多くの参拝者がいましたが、運良く椅子も確保でき、落ちついて写生ができたようです。
池田先生から、描きたい物を写真に撮って、写真も見ながら写生するのもいい方法だと教わり、実践していました。標高が高いのでかなり涼しく、天候も心配でしたが、写生の最中は雨に降られることも無く描くことができました。
写生終了後ケーブルカーで山を降り、駅近くのお店で、恒例のご苦労さん会を開催。いつもは居酒屋系でしたが、今回は初めてイタリアンでした。楽しく懇談しながら、山の自然と歴史の重みに触れ、絵を描く楽しみを共有したひとときを、無事に終えることができました。
今回ご参加の皆さん、ありがとうございました。
次回は、11月30日(土)、場所は鎌倉を予定しています。
所長:池本
(2013年10月21日)
関連ワード: 東京都
2013年6月1日(土)に、横浜市の金沢区で称名寺から八景島、野島公園を歩くウォーキングイベントを実施しました。例年よりも早く梅雨入りしてしまい、お天気が気になる当日でしたが、曇っていたものの、雨には降られず、静かな古刹でのスケッチと穏やかな海岸風景を楽しむことができました。
始めに、池田先生にデモンストレーションで描き方のポイントを教わり、各自のスケッチを始めていきました。池の回りには、もう終わりかけのキショウブが所々に咲いていて、私達の他にも、写生をしている方が多くおりました。
赤い橋や池、本堂を始め、思い思いの構図での写生タイム。「絵なんて、絶対無理・・・」などといっていた初めての参加者の方も、いつしか絵を描くことの魅力を感じたようで、今回もいつの間にか予定時間をオーバーしてしてしまい、結局八景島のバラの庭園まで行くのは断念して、野島公園にある、旧伊藤博文金沢別邸へと向かいました。
というのも、今回のイベントのスペシャルのひとつでもあった「お抹茶」をいただくための時間が迫っていたからです。明治期に伊藤博文が別荘として使われていたところを復元し、2009年から庭園とともに見学ができるようになった旧邸で、八景島や目の前の海を見ながらお抹茶をいただくことができたのは、とても良い体験でした。
ウォーキング終了後は、金沢八景駅の近くで恒例の懇親会を開催。楽しい時間を過ごして、終了となりました。
今回ご参加の皆さん、ありがとうございました。
これから、梅雨の時期と暑い夏を迎えるので、
次回は、9月以降の過ごしやすくなってきた頃を予定しています。
所長:池本
関連ワード: 神奈川県
静かな温泉街で時を刻む、過去と今をつなぐ宿
大正時代の面影を残す景観が郷愁を誘う、銀山温泉の温泉街。銀山温泉開拓の祖である「木戸佐左エ門」の名を刻む鏝絵の装飾が、風格のある木造の建物とともにひと際目を引く、明治25年創業の老舗です。
館内は、木の温もりを感じさせるしつらえにあふれ、いつしか心が和み、昔ながらの日本の良さを思い起こさせてくれます。歴史ある湯の恵みは、露天風呂付きの大浴場、白銀の滝を望むことのできる展望露天風呂、開業当初から使われてきた洞窟風呂など、多彩なシチュエーションで楽しむことができるのも魅力です。
山の幸、里の幸が贅沢に並ぶ夕食をいただいた後は、ぜひ夜の温泉街散策へ。温泉街にガス灯がともり、部屋からもれる明かりに浮かび上がってくる古き建物の幻想的な輝きを見ていると、遠い昔にどこかで感じた、小さい頃の思いが甦ってくるようです。
☎0237-28-2327
関連ワード: 山形県
2013年4月13日(土)に、東京都北区の浮間舟渡、赤羽荒川河川敷を歩くウォーキングイベントを実施しました。集まったのは絵の先生を含めて6人でしたが、快晴に恵まれ、春の花々の美しい彩りと、河川敷の爽やかな風を楽しむことができました。
前回同様、池田先生に水彩画のアドバイスを受けながらの写生タイムでは、参加者それぞれが、絵を描く楽しみや奥深さを感じながら、自分でも気がつかなかった自分自身の可能性を再発見したようでした。
浮間公園では、ソメイヨシノはもう散っていましたが、遅咲きのサトザクラ、色鮮やかなチューリップ、陽の光に照らされて明るく映える新緑の木々をはじめ、ソメイヨシノに負けない様々な春の花々や春らしい景色と出会うことができました。
今回は花を色々と楽しむことができたので、水彩画の他に、皆さんご持参のカメラで思い思いに写真に撮って楽しんでいました。
水彩画タイムの後は、浮間舟渡駅から一駅電車で移動し、北赤羽駅から約1時間のウォーキングのスタート。荒川土手には、色鮮やかなシバザクラが一面に植えてあり、参加者一同、その美しさと迫力に圧倒されてしまいました。シバザクラの花畑のさらにその先、赤い彩りがひと際目を引く旧岩渕水門(通称「赤水門」)まで、荒川河川敷を歩きました。池田先生のお話によると、この赤水門も写生の対象として面白い素材になるとのことでしたが、今回は時間の都合で見るだけにして、ゴールの赤羽駅まで足を進めていきました。
ウォーキング終了後、絵のお披露目会兼反省会(兼お疲れさまでした会)を軽く開催。先生からのアドバイスやお互いの感想などを語り合い、楽しい時間を過ごして終了となりました。
今回ご参加のみなさん、ありがとうございました。
なお、次回は6月の初旬を予定しています。
所長:池本
関連ワード: 東京都
2013年3月16日から、東京メトロ副都心線との相互直通運転開始に伴い、地下化される東急東横線の渋谷駅。駅は、多くの人で賑わっていましたが、この場所で電車の姿を見られるのもあとわずか、となりました。横浜方面から新宿、原宿、池袋方面や、その先の西武線や東武線へのアクセスがぐーんと便利になりますが、長年親しまれてきた駅がなくなるのは寂しいものです。
2004年にみなとみらい線の開通に合わせて地下化された横浜駅のように、東横線の起点渋谷駅も今回の工事で地下駅となり、この場所もやがて姿を変えていきます。かまぼこ型の屋根が印象的だった駅舎もいずれ解体されて、その後埼京線のホームが移設される予定とのことです。
直通運転開始後の東横線は、すべての電車が副都心線へ乗り入れるというわけではなく、渋谷駅始発の下り横浜方面行きの電車も設定されるとのことで、渋谷から座っていけるチャンスがなくなった訳ではないことはひと安心です。あと数日で営業を終了する地上の渋谷駅。なくなってしまう前に、ぜひ利用してみてください。
写真は2013年3月5日撮影